作品解説 - ウルティマ5

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作品名ウルティマ5 運命の戦士
[Ultima V Warriors of Destiny] Ultima5 Box

発売 1987年

発売元 Origin Systems社

作者リチャード・ギャリオット

対応OS Apple][

メディア 5.25インチフロッピーディスク 4枚

付属品布製マップ
コデックスのシンボル入りアミュレット

ストーリー

ウルティマ4で主人公が徳の探求を終えた後、八つの背徳のダンジョンの先に広大な地下空間が発見された。
ロード・ブリティッシュは探検隊を結成・指揮して自ら地下世界の調査に乗り出した。
しかし、地下世界の冒険は想像以上に過酷で、探検隊は一人を除いて全滅。ロード・ブリティッシュも現れた三体の悪霊に襲われ、行方不明となってしまう。
ロード・ブリティッシュ不在の間に国政を任された重臣ロード・ブラックソンも悪霊に操られ、国民を苦しめる圧制を敷いて反抗する者を弾圧するようになった。

コンパニオンの一人シャミノにより呼び出されたアバタールは、地下組織「レジスタンス」に加入して戦いを始める。
果たして、アバタールはブラックソンを操る悪霊「シャドーロード」を倒し、捕らわれたロード・ブリティッシュを救出できるだろうか？

特徴とシステム

アイテムや装備の仕様が複雑化

前作までの装備品は武器と鎧だけでしたが、今回から防具にかぶと、盾、首防具、指輪が追加されました。
指輪には装備するとHPが自然回復したり、透明になって身を守れたりといった特殊効果があります。
武器にも両手装備と片手装備があり、両手装備は強力なものが多く、片手装備には盾と併用できるメリットがある、といった違いがあります。また、弓矢などの飛び道具も、武器によって射程距離が変わったり、弓が矢を消費するようになったりしています。
このほか、装備に重量の概念が導入され、キャラクターの強さ(STR)によって装備可能な重量が決まります。
これによって、力の強い戦士は重装備できるが、非力な魔法使いでは軽装しかできないといった差別化が実現されています。

アイテムは、「ポーション(薬)」と「スクロール(巻物)」が新登場しました。
どちらも使いきりのアイテムで、使うと色々な効果があります。
このうち、薬は自分が飲んで使うため、毒の薬や眠りの薬は完全なマイナスアイテムになっています。

時間の概念の導入

今回から1日24時間の時間の概念が取り入れられました。
ゲーム中では常に時間が流れていて、時間と共に朝、昼、夜が移り変わります。今の時間は、初期アイテムの「懐中時計」でいつでも確認できます。
当然、夜になれば暗くなるので、昼の間は冒険して、日が暮れたらキャンプを張って休息を取ることになります。リアルです。
また、町にいる人などのNPCにも生活サイクルがあり、朝になると起きて仕事を始め、昼には酒場で食事をとり、夜にはベッドに入って眠ります。しかも、実際に歩いて酒場に行ったり、家に帰ったりするのです。こうした行動をNPC一人一人に設定しているのだから大したものです。
この要素はもちろん謎解きにも関わっていて、特定の時間帯にしか話を聞けない人などもいます。

キャラクターメイキングと育成

前作に引き続き、今回もゲームの最初に占い(ジプシークエスチョン)でキャラクターメイキングをします。
今回は主人公に職業はなく、初期ステータスだけが変わります。
仲間キャラクターには戦士、魔法使い、詩人の3種類の職業があり、戦士は重装備ができるが魔法が使えない、魔法使いは魔法が得意だが軽装しかできない、詩人は装備も魔法もそこそこ使える、といった区別がされています。

パラメータには強さ(STR),素早さ(DEX),知性(INT)の3種類があり、強さは攻撃力や装備可能な重量、素早さは攻撃の命中率や戦闘での行動回数、知性は最大MPや魔法の成功率などにそれぞれ関わります。
ちなみに最大MPは職業と知性によって決まり、主人公と魔法使いは知性の数値がそのまま最大MPになりますが、詩人では知性の半分が最大MPになり、戦士は常に最大MP0、つまり魔法が使えなくなっています。

パーティー制

今回も引き続きパーティー制が導入されていて、最大6人のパーティーが組めます。
パーティーメンバーになるキャラクターは全部で15人いて、初期メンバーのシャミノとイオロ以外は会話で誘えば仲間になってくれます。
前作ではパーティーメンバーは固定でしたが、今回は町の宿屋でメンバーの入れ替えができるため、好きなメンバーで冒険できます。

今回から、パーティーメンバーが「単独行動」をとれるようになりました。
これは、戦闘画面やダンジョンの部屋で、指定したメンバーだけを動かせるというものです。
他のメンバーの行動はスキップされるので、戦闘中に行うのは危険ですが、戦闘後のアイテム回収やダンジョンの仕掛けを動かす際などにはかなり便利です。

リメイク作品など

Ultima V - Lazarus

海外ファンによる非公式リメイクで、ダンジョン・シージ (2002年, Microsoft社)のエンジンを使ったModの一つです。
※日本語版ダンジョン・シージでも動作しますが、Version1.1パッチを当てる必要があります。
↓クリックすると、UltimaV Lazarusのプレイ動画へ移動します。ちなみに、左上の美女はコンパニオンのジュリアさんです。

参考文献